同じ大きさの地震でも、住んでいる場所の「地盤」によって揺れの大きさは何倍も変わります。軟弱地盤と硬い地盤の違い、揺れが増幅される仕組み、地盤の強さを表す指標(N値・地盤増幅率)と、無料で地盤の強さを調べる方法をわかりやすく解説します。
「地盤」とは建物を支える地面の土や岩のことです。地盤は硬さによって大きく軟弱地盤と硬い地盤(良好な地盤)に分けられます。地震の揺れやすさ・液状化のしやすさは、この地盤の強さに大きく左右されます。
軟弱地盤は「柔らかくて水を多く含む土」でできているため、地震の揺れを吸収するどころか逆に増幅させてしまいます。硬い地盤は揺れを地表にそのまま伝えるため、増幅が小さく被害も抑えられる傾向があります。
地震波は震源から硬い岩盤の中を伝わってきますが、地表付近の柔らかい地盤に入ると速度が遅くなり、そのぶんエネルギーが凝縮されて揺れの振幅が大きくなります。この現象を「地盤増幅」といいます。
軟弱地盤では、硬い岩盤の地域に比べて揺れが2〜10倍に増幅されることがあります。同じマグニチュードの地震でも、住んでいる地盤によって体感する震度が1〜2階級変わることも珍しくありません。
また軟弱地盤は揺れが「長くゆっくり」続く傾向があり、高層ビルを大きく揺らす長周期地震動とも関係します。
地盤の強さは、次のような数値で客観的に評価されます。専門用語ですが、意味を知っておくと自宅の地盤情報を読み解くのに役立ちます。
| 指標 | 意味 | 目安 |
|---|---|---|
| N値 | 地盤の硬さを表す代表的な値。ボーリング調査でおもりを打ち込んだ回数。 | 大きいほど硬い。N値0〜5は軟弱、20以上で良好、50以上で非常に硬い。 |
| 地盤増幅率 | 地震波が地表でどれだけ増幅されるかを示す値。 | 1.6以上は揺れやすい軟弱地盤の目安。J-SHISで確認できる。 |
| 地耐力(許容支持力) | 地盤が建物を支えられる力。単位はkN/m²。 | 20kN/m²未満は軟弱で地盤改良が必要になることが多い。 |
| 表層地盤のS波速度(AVS30) | 地表から深さ30mまでの地盤の硬さを速度で表した値。 | 速いほど硬い。400m/s以上で良好、200m/s以下で軟弱の目安。 |
専門業者に依頼しなくても、次の無料ツールで自宅周辺の地盤の強さの目安を調べられます。
より詳しい調べ方の手順は 自分の家の地盤を調べる方法 でも解説しています。あわせてご覧ください。
地盤が軟弱でも、すぐに引越しが必要というわけではありません。リスクを正しく把握したうえで、できる対策を積み重ねることが大切です。
本ページの地震・防災情報は、以下の公的機関・提供元の公開データをもとに作成しています。