「同じ場所で地震が何度も続いている」「これは大地震の前触れ?」——そんな不安に答えるのが群発地震の知識です。群発地震の仕組み、前震・余震との違い、いつまで続くのか、前兆なのか、続いている間にできる備えを、過去の事例を交えて整理します。
群発地震とは、特定の狭い地域で、はっきりした「主役」となる地震がないまま、小さな地震から中規模の地震までが長期間にわたって次々に起こる現象です。「群発」はむれて発生するという意味で、地震が群れのように集中して起きることからこう呼ばれます。
通常の地震は「大きな本震→だんだん小さくなる余震」という流れをたどりますが、群発地震では同じくらいの規模の地震が、増えたり減ったりしながら続くのが特徴です。火山地帯や、地下に水(流体)が多い地域で起こりやすいことが知られています。
似た言葉に「前震」「余震」がありますが、これらには必ず本震という主役があります。群発地震との違いを整理します。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 本震 | 一連の地震活動の中で最も規模が大きい地震。 |
| 前震 | 本震の前に同じ領域で起きていた地震。あとから見て「前震だった」と分かることが多い。 |
| 余震 | 本震のあとに続く、本震より小さい地震。時間とともに減っていく。 |
| 群発地震 | 突出した本震がなく、同規模の地震が群れのように続く。本震→余震の形を取らない。 |
震度やマグニチュードの基本は 震度とマグニチュードの違い もあわせて確認してください。本震・余震の起こり方は 直下型と海溝型の違い でも解説しています。
群発地震の主な原因は、地下深くのマグマや水(流体)が移動して、岩盤の割れ目に入り込み、断層をすべりやすくすることだと考えられています。流体の圧力で岩盤が少しずつ動くため、ひとつの大きな破壊で終わらず、長期間にわたって小さな地震が繰り返されます。
いつ収まるかは流体の動き次第で、数日〜数週間で収束することもあれば、数か月〜数年に及ぶこともあります。終わりの時期を正確に予測することはできません。
もっとも気になるのが「これは大地震の前兆では?」という点でしょう。結論から言うと、多くの群発地震は大地震に至らずに収束しますが、まれに大きな地震につながることもあります。能登半島のように、長く続いた群発地震の延長線上で大地震が起きた例もあります。
「地震が増えている気がする」という不安については 地震は予知できるのか、根拠のない噂については 地震雲は前兆か もあわせてご覧ください。
群発地震が続いている地域では、「次に大きいのが来るかも」という前提で準備しておくのが安心です。揺れに慣れて油断しがちな時期こそ、基本の備えを見直しましょう。