地震のニュースでよく登場する「震度」と「マグニチュード」。どちらも地震の大きさを表すように見えますが、実はまったく異なる概念です。この記事では、それぞれの意味・違い・日常での使い方をわかりやすく解説します。
地震報道では「マグニチュード6.5、最大震度5強」のような表現がよく使われます。多くの人がこれらを「地震の強さを表すもの」として同じように理解していますが、実際には全く別のものです。
マグニチュード(M)は地震そのものが持つエネルギーの大きさ。震源で1つしかない値です。
震度は各観測地点での揺れの強さ。同じ地震でも場所によって異なります。
震度は、ある地点での「揺れの強さ」を数値で表したものです。日本では気象庁が独自の震度階級(0〜7、5と6は弱・強に分かれる)を使用しています。全国約4,400か所に設置された震度計が自動計測します。
重要なのは、震度はその場所ごとに異なるという点です。同じ地震でも、震源に近い地域では震度6強、遠い地域では震度2ということが普通に起こります。
| 震度 | 人の感覚 | 建物への影響 |
|---|---|---|
| 0 | 人は揺れを感じない | なし |
| 1 | 屋内で静止中の一部が感じる | なし |
| 2 | 屋内の多くが感じる | 電灯が揺れる |
| 3 | ほとんどの人が感じる | 食器が音を立てる |
| 4 | 恐怖感。物につかまりたい | 不安定な置物が倒れる |
| 5弱 | 多くが恐怖を感じる | 固定していない家具が移動 |
| 5強 | 非常に恐怖。動くのが困難 | 固定していない家具が倒れることも |
| 6弱 | 立っていられない | 壁にひびが入る |
| 6強 | 立てない。這わないと動けない | 壁・柱が破損 |
| 7 | 揺れで飛ばされる | 建物の倒壊多発 |
マグニチュード(M)は地震が放出したエネルギーの総量を対数スケールで表した値です。1935年にアメリカの地震学者チャールズ・リヒターが考案しました。
対数スケールであるため、マグニチュードが1増えると地震のエネルギーは約32倍になります。2増えると約1000倍です。
マグニチュードは地震ごとに1つの値しかありません。M6.5の地震であれば、日本中どこで観測しても「M6.5」です。ただし、世界各国の気象機関が異なる計算方法を使う場合があるため、日本の気象庁マグニチュード(Mj)とアメリカ地質調査所(USGS)のモーメントマグニチュード(Mw)で数値がわずかに異なることがあります。
| 項目 | 震度 | マグニチュード |
|---|---|---|
| 表すもの | 各地点での揺れの強さ | 地震のエネルギーの大きさ |
| 値の数 | 観測地点ごとに異なる(多数) | 1つの地震に1つの値 |
| スケール | 0〜7(日本独自) | 数値に上限なし(理論上) |
| 決まり方 | 震源距離・地盤・深さで変わる | 断層の大きさ・すべり量で決まる |
| ニュース例 | 「最大震度6強を観測」 | 「マグニチュード7.3」 |
同じM6の地震でも、ある地点では震度6強、別の地点では震度2になることがあります。これには主に3つの要因があります。
震源から遠ければ遠いほど、地震波のエネルギーは減衰し揺れは小さくなります。震源の真上にある地表の点を「震央」と呼び、震央に近いほど揺れは大きくなる傾向があります。
震源が浅い(10km以浅)地震は「直下型」に近く、狭い範囲に強い揺れをもたらします。震源が深い(100km以深)地震は広い範囲に弱い揺れが伝わります。たとえば、深さ5kmのM5地震は、深さ100kmのM6地震より局所的に大きな揺れをもたらすこともあります。
柔らかい(軟弱な)地盤は地震波を増幅させます。東京の低地部・大阪の沖積平野・埋立地などは軟弱地盤が多く、同じ地震でも硬い岩盤の地域より大きく揺れます。これを「地盤増幅効果」と呼びます。
地震速報では「〇〇地震 マグニチュード〇〇 最大震度〇〇」という形で報道されます。それぞれの意味を正確に読み取りましょう。
「マグニチュードが大きい=自分の地域が大きく揺れる」という誤解が多いですが、震源からの距離・深さ・地盤次第で自分の地域の揺れはまったく異なります。マグニチュードだけでなく「どこを震源とする地震か」も同時に確認することが大切です。
震度とマグニチュードの違いを一言で覚えるなら:
地震のニュースを見るたびにこの2つの概念を意識すると、報道内容の理解が深まり、自分の地域へのリスク判断もより正確になります。