🗺 布田川断層帯・日奈久断層帯とは?
熊本地震を起こした活断層の詳細

最終更新: 2025年1月

布田川断層帯・日奈久断層帯は2016年の熊本地震(M7.3)を引き起こした活断層帯です。前震(M6.5)と本震(M7.3)が2日連続で発生した「本震先行型」でない地震として注目を集め、活断層研究に大きな知見をもたらしました。熊本県を南北に縦断するこの断層帯の全貌を解説します。

目次
  1. 断層帯の概要
  2. 2016年熊本地震との関係
  3. 地震リスクと発生確率
  4. 沿線地域への影響
  5. 備え方

🔍断層帯の概要

布田川断層帯(ふたがわだんそうたい)は熊本県熊本市の北東部から阿蘇カルデラを横断し、大分県境付近まで延びる断層帯です。日奈久断層帯(ひなぐだんそうたい)は熊本市南部から宇土半島・八代市を経て葦北郡に至る断層帯で、両者は熊本市付近でつながっています。

両断層帯を合わせた全長は約101kmに及び、熊本県をほぼ縦断する大規模な断層系を形成しています。右横ずれを主体とする活断層で、断層の西側が北、東側が南にずれる動きをします。

101km
両断層帯の合計全長
M7.3
2016年熊本地震本震
Aランク
地震発生確率ランク
2016年熊本地震:2016年4月14日に前震M6.5、4月16日に本震M7.3が発生。死者273人(直接・関連死含む)、全壊建物約8,600棟に及ぶ甚大な被害をもたらしました。同一断層帯で短期間に複数の大地震が発生したことは、国内でも稀なケースでした。

📋2016年熊本地震との関係

2016年の熊本地震は、布田川断層帯・日奈久断層帯の活動によって引き起こされました。前震と本震の震源断層は異なり、前震は日奈久断層帯北部(高野-白旗区間)、本震は布田川断層帯での破壊が主体でした。

前震(M6.5)2016年4月14日 21:26
📍 熊本県益城町付近⚠️ 最大震度7
日奈久断層帯北部(高野-白旗区間)での活動。益城町を中心に震度7の揺れを記録。この時点では「本震」とみられていた。
本震(M7.3)2016年4月16日 01:25
📍 熊本県西原村・益城町付近⚠️ 最大震度7
布田川断層帯での活動が主体。前震を上回るM7.3を記録し、地表に明瞭な断層変位が現れた。益城町・西原村・南阿蘇村で甚大な被害。
「前震・本震」の教訓:最初のM6.5(震度7)の後に「本震が来た」と判断する予測は困難でした。熊本地震は「最初の大きな揺れの後も油断しない」ことの重要性を改めて示しました。
項目被害状況
死者数(直接死)50人
死者数(関連死含む)273人
建物全壊約8,600棟
建物半壊・一部損壊約16万棟
最大避難者数約18万人

⚠️地震リスクと発生確率

2016年の熊本地震後、地震調査研究推進本部は断層帯の評価を見直しました。布田川断層帯の一部(宇土区間・宇城区間)については次回地震への注意が継続して呼びかけられています。日奈久断層帯南部(八代海区間)については評価が更新されています。

2016年地震後のリスク:大地震が起きた断層でもエネルギーが完全に解放されるわけではありません。未破壊区間や隣接断層への応力転移も指摘されており、熊本県内では引き続き警戒が必要です。

🏚沿線地域への影響

益城町・西原村・南阿蘇村

2016年の熊本地震で最も甚大な被害を受けた地域です。益城町では2度の震度7を記録し、旧耐震基準の木造住宅を中心に多くの建物が倒壊しました。現在も復興が続いており、断層の直上は建築制限区域に指定されています。

熊本市・宇土市・八代市

断層帯沿いの中核都市です。熊本市では熊本城天守閣をはじめとする文化財にも甚大な被害が生じました。宇土市・八代市は日奈久断層帯の南部に位置し、将来の活動に備えた対策が求められています。

阿蘇地域

布田川断層帯の東端部は阿蘇カルデラ内を通過します。2016年の地震では阿蘇大橋が崩落し、土砂災害も多発しました。火山性地質が広がる地域では揺れによる斜面崩壊リスクが特に高い点に注意が必要です。

🛡備え方