布田川断層帯・日奈久断層帯は2016年の熊本地震(M7.3)を引き起こした活断層帯です。前震(M6.5)と本震(M7.3)が2日連続で発生した「本震先行型」でない地震として注目を集め、活断層研究に大きな知見をもたらしました。熊本県を南北に縦断するこの断層帯の全貌を解説します。
布田川断層帯(ふたがわだんそうたい)は熊本県熊本市の北東部から阿蘇カルデラを横断し、大分県境付近まで延びる断層帯です。日奈久断層帯(ひなぐだんそうたい)は熊本市南部から宇土半島・八代市を経て葦北郡に至る断層帯で、両者は熊本市付近でつながっています。
両断層帯を合わせた全長は約101kmに及び、熊本県をほぼ縦断する大規模な断層系を形成しています。右横ずれを主体とする活断層で、断層の西側が北、東側が南にずれる動きをします。
2016年の熊本地震は、布田川断層帯・日奈久断層帯の活動によって引き起こされました。前震と本震の震源断層は異なり、前震は日奈久断層帯北部(高野-白旗区間)、本震は布田川断層帯での破壊が主体でした。
| 項目 | 被害状況 |
|---|---|
| 死者数(直接死) | 50人 |
| 死者数(関連死含む) | 273人 |
| 建物全壊 | 約8,600棟 |
| 建物半壊・一部損壊 | 約16万棟 |
| 最大避難者数 | 約18万人 |
2016年の熊本地震後、地震調査研究推進本部は断層帯の評価を見直しました。布田川断層帯の一部(宇土区間・宇城区間)については次回地震への注意が継続して呼びかけられています。日奈久断層帯南部(八代海区間)については評価が更新されています。
2016年の熊本地震で最も甚大な被害を受けた地域です。益城町では2度の震度7を記録し、旧耐震基準の木造住宅を中心に多くの建物が倒壊しました。現在も復興が続いており、断層の直上は建築制限区域に指定されています。
断層帯沿いの中核都市です。熊本市では熊本城天守閣をはじめとする文化財にも甚大な被害が生じました。宇土市・八代市は日奈久断層帯の南部に位置し、将来の活動に備えた対策が求められています。
布田川断層帯の東端部は阿蘇カルデラ内を通過します。2016年の地震では阿蘇大橋が崩落し、土砂災害も多発しました。火山性地質が広がる地域では揺れによる斜面崩壊リスクが特に高い点に注意が必要です。
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